福寿草になった少女


   福寿草になった少女1


諏訪湖の近くに、守屋山という山
があります。
「守屋山には、明神さまが住んで
おられる」と、いわれています。



山のふもとに、朝日長者とよばれ
る、大きなやしきがありました。
長者は、宝がいっぱいつまった、い
くつもの蔵を持っています。



蔵の中には、美しい皿や茶碗、刀や
漆器、掛け軸などが、たくさん入っ
ていました。



しかし、長者には、たった一つない
ものがありました。
子宝です。



長者夫婦は、人がうらやむほど、仲
の良い夫婦でした。
しかし、なぜかこどもが授かりません。


            つづく



童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に、収録されています。

信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。