福寿草になった少女21
私ね、明神さまにお願いして、とう
ちゃんがみたいといっていた黄金色
の花にしていただいたの。
きれいな花でしょ。
今は一本きりだけれど、何百年かた
てば、何万本にもふえると思うの。
とうちゃん、かあちゃん。
来年も再来年も、忘れずにここにき
てね。きっとよ」
福のかわいい声が聞こえました。
すると・・・。
山の頂からも、おごそかな声が聞こ
えてきました。
「わしは守屋山に住んでいる明神じゃ。
二人とも福に会えて、本当によかった
のぅ。
長者夫婦よ、福を大切に育ててくれて、
ありがとう。感謝しているぞー。
そこに咲いている黄金色の花は、福寿
草というのじゃ。
これからは、その花を福だと思って、
大切にするのじゃよ」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100214#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1
童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に、収録されて
います。
信州諏訪の「風の神様」から聞い
た話。