福寿草になった少女20
わずかに残った雪の中に、長者が・
福が・村の人々が、あんなにみたい
と思った黄金色の花が、一本咲いて
いたのです。
黄金色の花は、太陽にあたり、きら
っきらっと輝いていました。
それはひとえの黄金色の花でした。
「まあ、きれいな花だこと」
二人は、黄金色の花にかけよりました。
すると。
「リーン・リーン・リーン」
どこからか鈴の音が聞こえてきました。
「福、福なのね」
奥さんの目には、美しい娘になった
福の姿が、はっきりみえました。
「とうちゃん、かあちゃん。
今年も忘れずに私に会いにきてくれた
のね。うれしいわ。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100213#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1
童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に、収録されて
います。
信州諏訪の「風の神様」から聞い
た話。