福寿草になった少女


  福寿草になった少女19


長者は、たくさんの宝物を、使用
人や村の人々に、おしげもなくわ
け与えました。
大切なこどもをなくしてしまった
長者には、宝物などもう何の価値
もなかったのです。



長者は、福がたおれていた場所に
も、たくさんの小判を埋めました。
その後、長者はこじんまりした家
をたて、福をしのびながら、夫婦
二人だけで、ひっそりと暮らしま
した。



十年が過ぎました。
福の命日に、二人は守屋山に登り
ました。
「福が生きていたら、今年は十八ね。
すてきな娘になっただろうに・・・」



二人は福のことを思いだしながら、
守屋山へ登って行きました。
福がたおれていた場所にたどりつ
いた時、二人は「あっ」と大声を
あげました。


           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100212#p1



 初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1




童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に、収録されて
います。

信州諏訪の「風の神様」から聞い
た話。