黄金色のまゆ玉


   黄金色のまゆ玉3


人々には、大きな竜が、湖をのた
うちまわっているようにみえました。
なんと、その氷の割れ目は、明神
さまが住んでいる神社の近くから、
湖の向こう側までずっと続いてい
ました。



「昨夜、氷の上を歩いていた人は、
明神さまだったのだろうか」
「まさか・・・?」
「真夜中、明神さまはどこへ行っ
たのだろう」



「今夜、そっと明神さまの後をつ
けてみよう」
「おお、それがいい。それがいい」
勇気のある足の早い青年が、何人か
で明神さまの後をつけることにしま
した。


            つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100310#p1



     初めて読んだくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100309#p1



諏訪湖には、「おみわたり」の伝
説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、その伝説
をヒントにして、みほようこが書
いた物語。