かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女7


そのため、かきつばたは、だれ
にも行き先をつげず、たった一
人で霧ケ峰へ行こうと思ったのです。



霧ケ峰へつくと、広い草原には、き
すげの花が、一面に咲いていました。
「わー、きれい!」
かきつばたは、思わず大声をあげま
した。



「おばさまは、この草原を、大好き
な人といっしょに歩いたのね」
かきつばたは、二人の姿を思いうか
べながら、夢中できすげの花をつみ
ました。



ところが・・・。
はっと気がつくと、あたりは霧で真
っ白でした。
いつ霧がでてきたのでしょうか。


            つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100703#p2



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100627#p2



「かきつばたになった少女」は、
信州の霧ケ峰高原にある八島湿原
に咲いているかきつばたの話。
信州諏訪の「風の神様」から聞
いた話。



「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に、収録
されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html