かきつばたになった少女22
かきつばたのおとうさんとおかあ
さんも、大切な娘と愛する妹をな
くし、がっくりしていました。
二人は、毎日霧ケ峰へ行き、かきつ
ばたをさがして歩きました。
「かきつばた、かきつばたー。
どこにいるのー」とさけびながら。
愛する娘をさがす二人の声が、草原
に悲しくひびきわたりました。
山彦も毎日霧ケ峰へ行き、かきつば
たをさがしました。
でも、かきつばたをみつけること
はできませんでした。
かきつばたはどこへ消えてしまっ
たのでしょうか。
一年後。
山彦が、八島の湿原へ行ってみる
と、沼のほとりにみたことのない
紫色の花が咲いていました。
花が咲いている場所は、初めてか
きつばたに出会った場所でした。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100719#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100627#p2
「かきつばたになった少女」は、
信州の霧ケ峰高原にある八島湿原
に咲いているかきつばたの話。
信州諏訪の「風の神様」から聞
いた話。
「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に、収録
されています。
童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。
童話集「ライオンめざめる」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html