福寿草になった少女


    福寿草になった少女1


http://www.geocities.jp/dowakan/hukuzyusou1.html



http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20070206#p1



  「福寿草になった少女」より


福がたおれていた場所にたどりつ
いた時、二人は「あっ」と大声を
あげました。
わずかに残った雪の中に、長者が・
福が・村の人々が、あんなにみた
いと思った黄金色の花が、一本咲
いていたのです。



黄金色の花は、太陽にあたり、き
らっきらっと輝いていました。
それはひとえの黄金色の花でした。
「まあ、きれいな花だこと」
二人は、黄金色の花にかけよりま
した。



すると・・・。
「リーン・リーン・リーン」
どこからか鈴の音が聞こえてきま
した。
「福、福なのね」
奥さんの目には、美しい娘になっ
た福の姿が、はっきりみえました。



「とうちゃん、かあちゃん
今年も忘れずに私に会いにきてく
れたのね。うれしいわ。
私ね、明神さまにお願いして、と
うちゃんがみたいといっていた黄
金色の花にしていただいたの。



きれいな花でしょ。今は一本きり
だけれど、何百年かたてば、何万
本にもふえると思うの。
とうちゃん、かあちゃん。来年も
再来年も、忘れずにここにきてね。
きっとよ」
どこからか福のかわいい声が聞こ
えました。



童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集・「竜神
になった三郎」に収録されています。