古事記神話「古事記物語」


 伊耶那岐命と伊耶那美命 14


黄泉比良坂(黄泉国と葦原中国とを
へだてる坂)のふもとにたどりつい
た時、桃の木が目につきました。



伊耶那岐命は、桃の実を三個とると、
黄泉国の軍勢に向かって、力いっぱ
い投げつけました。
すると、軍勢たちは、桃の実をおそ
れ逃げていきました。



「桃よ、危ないところを助けてくれ
て、ありがとう。わしを助けてくれ
たように、葦原中国の困っている人
々を助けてあげてほしい」


        つづく