古事記神話「古事記物語」


   大国主命の試練 4


「今夜は、ここで寝るがいい」
「えっ、ここで・・・」
「そうじゃ」
命は、はきすてるようにいうと、さ
っさと室をでていってしまいました。
心のやさしい須勢理比売は、大国主
命を気の毒に思い、比札といって肩
かけのようなきれをそっと渡しました。



「もし蛇が近づいてきたら、このひ
れを三度ふって、蛇をおいかえしな
さい」
須勢理比売が室を出ていくと、たく
さんの蛇がかま首をもたげ、いっせ
いに大国主命にむかってきました。


        つづく