古事記神話「古事記物語」


 やきもちをやく須勢理比売 1


大国主命の正妻・須勢理比売(す
せりひめ)は、大国主命がよその
国へ行くたびに、その国の美しい
女性を妃にすることが許せません
でした。



そんなうわさを耳にするたびに、須
勢理比売はやきもちをやきました。
とくに、越の国の沼河比売にたいす
るやきもちは、ひどかったようです。



ある日。
須勢理比売のやきもちに手をやいた
大国主命は、倭へ行こうと思いました。
旅の支度をしていると、須勢理比売が
やってきて、「また、どこかへおでかけ
なの」と嫌味をいいました。


         つづく