竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 7


すると、姫が。
「私は、じいのいうことを、ことわ
ることができなかったので、くらも
ちの皇子には、蓬莱の玉の枝を・・・
と、いいました。蓬莱の玉の枝な
ど、たやすく持ってくることはで
きないだろうと思ったのに、簡単
に玉の枝を持ってきました。ほん
とうにくやしい」と。



おじいさんは、すっかりその気に
なり、姫の寝室の中をかたつけま
した。
皇子は、「苦労して玉の枝を探し
たことを、今さらいろいろいって
もしかたがないが」といいながら、
縁側にあがり座りました。


        つづく