竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 6


「くらもちの皇子は、姫が希望し
た蓬莱の玉の枝を持ってきたの
ですよ。姫、もう皇子の申し出を
ことわることはできません。自宅
へも寄らず、旅の姿のまま、姫の
所へきたのです。皇子と結婚しな
さい」
おじいさんがいいました。



姫は、おじいさんの話も聞かず、
頬杖をついて物思いにふけってい
ます。
「姫。これは、日本では見ること
ができない貴重な玉の枝だ。皇子
の申し出をことわる理由は、何も
ない。皇子は、人柄もよさそうだし」


          つづく