火とぼし山


   次郎、西の村へ 8


「だいじょうぶ。次郎さん」
きよは、きっぱりいいました。
「大好きな次郎さんのためなら、
私どんなことでもする」
きよは、心の中でそっとつぶや
きました。



「次郎さん。お願いがあるの。私
と会う日には、大きな火をたいて
ほしいの。私、その火を目印にし
て、次郎さんを訪ねて行くから」



「目印に火か。いい考えだね。で
も、遠くから火が見えるかな」
「夜になれば、真っ暗だわ。だか
ら、見えると思う。ねぇ、次郎さ
ん。いつ会うの」


          つづく