火とぼし山


  次郎、西の村へ 7


「次郎さん。引越しをしても、私
と会ってくれる?」
「もちろん。きよちゃん、時々会
おうね」
「どうやって会うの」
「おらは、あまり休みがない。だ
から、夜しか会えない」
次郎がさみしそうにいいました。



「じゃあ、私が会いに行くわ」
「えっ、きよちゃんが」
「次郎さんは、休みがないんで
しょ。だったら、私が会いにいく」



「でも・・・きよちゃんは、女の子。
暗い夜道を、何時間も歩かなく
てはならないのだよ。きよちゃん、
夜道を一人で歩けるの」
次郎が心配して聞きました。


        つづく