火とぼし山


    再会 4


次郎の笑顔をみたとたん、きよ
は疲れがいっぺんにふきとびま
した。
「次郎さん。この一週間、とて
も長かったわ。時間が止まって
いるのではないかと思ったくらい」
「おらも」
二人は、再会できたことを、心か
ら喜びました。



「はい、次郎さん。むすびよ」
「むすび?」
「次郎さんに食べてもらおうと
思って、持ってきたの。さあ、食
べて」
きよは、むすびをわたしました。
「うまいっ」


        つづく