火とぼし山 


    再会 5


「おいしいでしょ。次郎さん」
「うん、おいしい。きよちゃん、
中に入っている梅ぼしも、おいし
いね」
「その梅ぼし、私がつけたの」
「へぇー、上手につかっているね。
きよちゃん。このむすび、温かい
けれど、どうしたの」



「私、手で温めながら、歩いてき
たの」
二人は、ならんでむすびを食べ
ました。
「次郎さん。今、どんな仕事をし
ているの」
「田んぼの草取りや、野菜の収
穫をしている。蚕も飼っているよ」
「蚕を?」


         つづく