火とぼし山


  月に一度の出会い 5


「うまいっ」
次郎は、こんなおいしい酒を飲ん
だのは、初めてでした。
会うたびに、きよちゃんが持って
くる酒が熱くなっている。



きよの自分に対する思いが、日ご
とに強くなっていることに気づき、
きよちゃんの気持は、うれしい。
おらも、きよちゃんが大好きだ。
でも、次郎は、心のどこかで不安
を感じていました。


        つづく