火とぼし山


   月に一度の出会い 9


「なぜ話せなかったの」
「なんか、はずかしくて。そん
なにしょっちゅう家に帰るのは
おかしいと、主人にといつめら
れた。だから、きよちゃんのこ
とを話したんだ」



「そうしたら、なんていったの」
「きよちゃんとは、月に一度、会
ったらどうかといわれた。野良の
仕事が忙しいから、そういったの
だろうけれど」



「一カ月も、次郎さんに会えないな
んて、私さみしい」
そういって、きよは家に帰っていき
ました。 


        つづく