火とぼし山


   月に一度の出会い 12


数日後。
明神さまは、湖のほとりで、ま
た娘をみかけました。
娘は、西山にむかって、なにか
しゃべっています。



「次郎さん。元気? 今、何を
しているの。一カ月も、次郎さん
に会えないなんて、私さみしい。
一日も早く、次郎さんに会いたい。
白鷺のように羽があれば、毎日
でも次郎さんの所へ飛んでいけ
るのにね」と。


         つづく