火とぼし山


   月に一度の出会い 13


「大好きな二人が、一カ月も会
えないなんて、つらいだろうな。
なんで会えないのじゃろ。
娘が青年に会いたいと思うのも、
無理はないのぅ」
娘の後姿をみながら、明神さま
は小声でつぶやきました。



「娘よ。青年と会えない日には、
心の中で話をしなさい。そうす
れば、さみしくないぞ。一ヶ月
なんて、あっという間じゃ。娘
よ、元気をだしなさい」
明神さまは、心の中で娘に話し
かけました。


       つづく