火とぼし山


   次郎の見合い 2


きよは、次郎の笑顔を思いうか
べながら、湖のまわりを足早に
歩いて行きました。
一カ月ぶりに会えると思うと、何
時間もかかる遠い道のりも、暗
い夜道も、少しも苦になりませ
んでした。



何時間もかけ、やっと次郎の所
へつきました。
「次郎さん。会いたかったわ」
「きよちゃん。遠い所をご苦労
さま。一カ月は、ほんとに長かっ
たね」
次郎は、笑顔できよを迎えてく
れました。



きよは、次郎の笑顔をみてほっ
としました。
二人は、一カ月間のできごとを、
夢中で語りあいました。
楽しいひとときでした。


        つづく