2017-12-14 火とぼし山 童話 次郎の見合い 1 一カ月がすぎました。 今日は、次郎と会う日。 きよにとって、この一カ月は、気 が遠くなるほど長い時間でした。 後二十九日、後十五日、後八日 ・・・と、次郎に会える日を指おり 数えて待っていました。 「次郎さんに会いたい」 「次郎さんの笑顔がみたい」 この一ヶ月、きよは次郎のこと ばかり考えてすごしました。 西山に太陽が沈む頃、きよは次 郎が住んでいる村に向かって出 発しました。 「今日は、次郎さんに会える」 そう思うと、心がはずみました。 つづく