火とぼし山


   次郎の見合い 3


「きよちゃん」
「次郎さん、何?」
「おこらないで聞いてくれる」
「何なの、次郎さん」



「きよちゃんには、今まで何で
も話してきた。おれ、かくしご
とをしたくないので、おもいき
って話す。きよちゃん、おこら
ないでね」
次郎は、再び念をおしました。



「実は、十日ほど前、主人から
姪と会ってほしいといわれた」
「見合いをするということ」
「そうらしい。でも、おらは、そ
の場でことわった」


        つづく