火とぼし山


   次郎の見合い 11


おまえのことを、あんなに思って
くれるおなごは、ほかにいないか
らのぅ」
明神さまは、心の中で次郎に話し
かけました。



「きよと次郎は、これからどうな
るのだろう。若い二人が離れて
暮らしていると、いつしか心まで
離れてしまうのだろうか」
明神さまは、心の中でそっとつぶ
やきました。


        つづく