火とぼし山


   湖を泳ぐ娘 5


「達者な泳ぎだから、深みにでも
はまらない限り、大丈夫でしょ。
魚が泳いでいるような、みごとな
泳ぎね」
きよの泳ぎをみて、手長が感心し
たようにいいました。



すると・・・。
「あっ、次郎さんだ。約束通り、
火をたいてくれたのね。ありが
とう、次郎さん。今、行くからねー」
きよが、大声でさけびました。
みると、西の山に、小さな火が
ともっています。


         つづく