火とぼし山


   湖を泳ぐ娘 6


「あの火が、二人の合図なのか。
それにしても、小さな火じゃのぅ」
「きよは、あの火がともるのを、
待っていたのね。あの火は、二人
をつなぐ命の火なのでしょうね」
手長がしんみりいいました。



手長と足長は、小さな火をめが
けて泳いでいくきよの姿を、い
つまでもじっとみていました。
「無事に、湖をわたり終えます
ように」と祈りながら。


        つづく