火とぼし山


   湖を泳ぐ娘 21


「次郎さん、魚よ」
「魚?」
「泳いでいる途中、つかまえたの。
後で焼いて食べよう」
きよは、次郎に魚をわたしました。



「きよちゃん。早く髪をかわかさな
いと、かぜをひくよ」 
次郎は、自分のてぬぐいを、きよ
にわたしました。
きよは、そのてぬぐいで髪をふき
ました。
次郎のにおいが、ぷーんとしました。


         つづく