火とぼし山


   湖を泳ぐ娘 22


きよと次郎は、いつものように、
一晩中語りあかしました。
楽しいひとときでした。



その後。
きよが、次郎の所へたどりつく
時間が、だんだんに早くなりま
した。
会うたびに、十分二十分と、早
くなっていったのです。



「きよちゃん。今夜は、ずいぶん
早かったね。いつもより早く家を
でたの」
ふしぎに思い、次郎が聞きました。
「いつもと同じ時間よ」
きよは、そういいました。


        つづく