火とぼし山


    湖を泳ぐ娘 23


でも、いつもと同じ時間である
はずがない。きよちゃんは、い
つもより早く家をでたのだろう
と、次郎は思いました。



「きよちゃん。どうやったら、こ
んなに早くここへこられるの」
「私、次郎さんと会う日には、無
事に次郎さんの所へたどりつけ
ますように。一分でも早く、次郎
さんに会えますようにと、心の中
で祈るの」


        つづく