火とぼし山


    湖を泳ぐ娘 32


「次郎さんが、大好きだからよ。
だから、わかるの。次郎さんには、
その人と会う気はないかもしれな
い。でも、その人、次郎さんが働
いているたんぼや畑へ、会いにく
るでしょ」



次郎は、何もいえませんでした。
事実だったからです。
きよがいうように、みよは次郎が
働いているたんぼや畑へ、何度も
やってきました。


        つづく