2018-01-23 火とぼし山 童話 新しい出発 1 九月八日。 残暑のきびしい日でした。 今日は、次郎と会う日。 「とうちゃん、かあちゃん。 これから次郎さんの所へ行って きます」 「きよ、気をつけて行くんだよ。 次郎君によろしくな」 父と母が、庭先まで見送ってく れました。 きよは、元気よく家を出発しま した。 「無事に向こう岸へ渡れますよ うに」 そう祈りながら、きよは湖を泳 ぎ始めました。 つづく