火とぼし山


   新しい出発 11


「じゃあ、今度はあちら側をさ
がそう」
「あなた。うずにまきこまれな
いように、気をつけてね。それ
にしても、きよはどこへ行って
しまったのでしょう。淵の奥深
く沈んでしまったのかしら」



手長は、うずの中を、何度もか
きまわしました。
しかし、何の手ごたえもありま
せん。



どのくらいの時間がすぎたので
しょうか。
手長の手に、何かひっかかりま
した。


        つづく