火とぼし山


   新しい出発 18


いくら明神さまが話しかけても、
きよは何も答えません。
「明神さま。きよは、だいじょう
ぶでしょうか」
手長が心配して聞きました。



「だいじょうぶじゃ。三日もすれ
ば、意識がもどるだろう」
「意識がもどれば、おぼれた時
のことを思い出すのでしょうか」
「さあ、それはわからん。ちゃん
と記憶がもどるといいのだが」
明神さまが、心配していいました。


       つづく