火とぼし山


   新しい出発 21


きよ。次郎のことは忘れるのじゃ。
心がはなれてしまった人に、いく
ら心をよせてみてもどうなるもの
ではない。次郎のことは、忘れて
しまいなさい。そして、一日も早く、
きよにふさわしいすてきな人をみ
つけてほしい。



明神さまは、眠り続けるきよの顔
をみながら、心の中で話しかけま
した。



三日後。
きよの意識がもどりました。
「きよ。気がついたか。よかった
のぅ」
明神さまが、ほっとした顔でいい
ました。


       つづく