2018-02-14 火とぼし山 童話 新しい出発 23 「きよ。おまえは、大好きな次郎 に会いに行く途中、小坂観音沖 の深い淵で、おぼれてしまった のじゃ」 「次郎さんて、誰」 「おまえが、この世で一番好き な人じゃ」 きよは、大好きだった次郎のこ ともおぼえていないようでした。 「私が、淵でおぼれたのですか」 「そうじゃ。大きなうずにまきこま れ、おぼれてしまったのじゃ。 手長と足長が、うずの中からお まえを助けてくれた。おまえは、 このやしきで、三日間眠り続け たのじゃ」 つづく