[童話]火とぼし山
火とぼし山 65
湖を泳ぐ娘 11
そういえば、きよちゃんが持ってくるとっくり
は、驚くほど熱い。
きよちゃんの手は、たしかに熱いけれど、あの
とっくりの熱さは異常だ。
次郎の心の中で、きよに対する疑いがどんどん
ふくらんでいきました。
その一方で、次郎は思いました。
おらは、小さな時から、きよちゃんが大好きだ
った。
そんなきよちゃんに、なぜ疑いの気持をいだく
のだろうか。
きよちゃんが、魔物であるはずはない。
小さな時から大好きだったきよちゃんに、疑い
の気持をいだくなんて、おらはどうかしている。
つつく