2019-03-17 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 23 第三章 湖の氷の上を歩く娘 5 「次郎さん。はい、お酒」 「お酒?」 「寒いから、次郎さんに飲んでもらおうと 思って、持ってきたの」 きよは、小さなとっくりを、次郎にわたし ました。 「うまいっ」 次郎は、うまそうに酒を飲みました。 「きよちゃん。この酒、温かい。どうしたの」 「次郎さんのことを思いながら、歩いてきた の。それだけよ」 きよちゃんは、おらのことをこんなにも思っ ていてくれる。 次郎は、幸せでした。 つづく