[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり
井戸で鳴く黄金色のにわとり 4
夏のある日。
「姫、ちょっと」
信廉が、姫をよんでいます。
「なぁに、おとうさま」
「姫。今は、戦国の世。どんなことがおこる
かわからない。だから、一人で外に出ないよ
うに」
「おとうさま。城のまわりならいいでしょ」
「まあ、いいだろう。でも、くれぐれも気を
つけておくれ。それから、もう一つ」
姫は、何だろうと思いました。
「大蛇ケ淵へ、近づかないように」
「おとうさま。なぜ淵に行ってはいけないの」
「淵には、何かいるらしい」
「何がいるの、おとうさま」
つづく