井戸で鳴く黄金色のにわとり

[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり


井戸で鳴く黄金色のにわとり 5


「大きな蛇がいるらしい。だから、淵には近
づかないように。わかったね、姫」
信廉は、姫に念をおしました。
「おとうさま、ごめんなさい。私、あの淵が
大好きなの。だから、これからも、淵がみえ
る場所へ行くわ」
姫は、心の中でおとうさんにあやまりました。


その日も、姫は大蛇ケ淵がみえる場所へ行きま
した。
にわとりも一緒です。
「こっこ、おいでー」
にわとりは、「こっこっこ」と鳴きながら、姫
の後をついてきます。


        つづく