開善寺の早梅の精

[童話]開善寺の早梅の精


開善寺の早梅の精 11


「私、文次さんとゆっくりお話がしたいの
です」
「梅香さん。ほんとにおじゃましていいの
かな」
文次が、聞きました。
「どうぞ、えんりょなく。おいしいお酒を
ごちそうしますよ」


誘われるままに、文次は女の人の後をつい
ていきました。
文次は、りっぱな書院に案内されました。
床には、禅語の軸がかかっています。
唐胴の一輪ざしには、梅がさしてありました。
部屋の中は、梅の花の香りでいっぱいでした。


         つづく