2019-12-06 開善寺の早梅の精 童話 [童話]開善寺の早梅の精 開善寺の早梅の精 15 どのくらいの時間がすぎたのでしょうか。 文次が目をさますと、美しい女の人も、おいし い酒も、料理も消えていました。 文次は、一人ぽつんと、梅の木の下に立ってい ました。 梅の花が、月あかりに照らされ美しくみえます。 何事もなかったかのように、梅の花の香りが、 あたり一面にただよっていました。 東の空が、だんだんに明るくなりました。 「ちゅん、ちゅん、ちゅん」 すずめのなき声も聞こえます。 つづく