2019-12-07 開善寺の早梅の精 童話 [童話]開善寺の早梅の精 開善寺の早梅の精 16 「わしは、夢をみていたのだろうか。美しい 上品な女の人、舌がとけてしまいそうなうま い酒、おいしい料理。あれは、夢だったのだ ろうか。いや、夢ではない。わしは、梅香と なのる女の人と、たくさんの歌をよんだ。ほ んとに楽しいひとときだった」 文次は、小声でつぶやきました。 すると・・・。 風もないのに、梅の花びらが、ひらひらと文 次の上に舞いおりてきました。 そして、梅の花の香りが、いちだんと強くな りました。 つづく