2019-12-09 開善寺の早梅の精 童話 [童話]開善寺の早梅の精 開善寺の早梅の精 18 梅の花匂ふ袂のいかなれば 夕暮れごとに春雨の降る 文次は、「あの人の香りが残る袖は、毎夜私 の涙でぬれている」という意味の歌をよみま した。 文次は、梅香のことがわすれられなかったの でしょうね。 この歌をよんだ翌日、文次は戦場でなくなり ました。 「この世の最後に、梅香さんと歌あわせがで きて、わしは幸せだった。梅香さん、ありが とう」 そういって、文次はあちらの国へ旅立ってい きました。 おわり