女神さまとの約束


昨日につづき、「女神さまとの約束」を紹介
します。



    ・ 女神さまとの約束1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060405



    ・ その2

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060406



    ・ その3

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060407



     ・ その4

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060408





    女神さまとの約束5



白駒は、ふくの家へもどりました。
白駒は、長者をつれて、あっという間にもど
ってきました。
「おお、これが黄金色の花か。美しい花だね」
長者は、黄金色の花をみて驚きました。
「とうちゃん、早く手と足を湯の中へ入れて
ごらん。体が楽になるよ」
長者は、手と足を湯の中へ入れました。
「うーん、気持がいいな」
長者は、うっとりした顔でいいました。



ふくは、長者の体を、黄金色の花びらでやさ
しくさすってやりました。
すると、どす黒かった長者の顔が、うっすら
とピンク色になりました。
「とうちゃん、きっと元気になれるよ」
「そうだな。元気になれるかもしれないね」
長者もうれしそうでした。
長者は、一日ごとに元気になりました。
そして、十日後には、すっかり元の体になり
ました。



「さあ、ふく。元気になったから、家へもど
ろう」
「私は、ここにとどまるわ」
「なぜ?」
「私、八ヶ岳の女神さまと約束したの。ここ
にとどまって、とうちゃんのように病気で苦
しんでいる人を助けるって」
「そうか、女神さまとそんな約束をしたのか。
約束は守らなくてはいけないけれど、ふくが
そばにいないとさみしいね」
長者はさみしそうでした。



長者は白駒の背にのり、一人で家へもどって
いきました。
ふくは、女神さまとの約束どおり、黄金色の
花が咲いているこの場所に残りました。



その後。
白駒は、あちこちの村から、病気で苦しんで
いる人を、つれてきました。
一人が元気になると、どこからかまた次の病
人をつれてきます。
足腰もたたない病人を、白駒がどうやってつ
れてくるのか、ふくはふしぎに思いました。
ふくは、白駒がつれてきた人の体を、黄金色
の花びらで、毎日やさしくさすってあげます。
すると、今にも死にそうだった人が、何日か
するとすっかり元気になりました。


       つづく