笛の音よ、永久にひびけ


    笛の音よ、永久にひびけ8


「楓の木では、良い音がでないのだろうか。いや、
そんなはずはない。心ならずも切りたおされた楓
のためにも、素晴らしい音色のする笛を作りたい」
若者は、心に強く思いました。
若者と村の人たちは、何本も何本も、笛を作り続
けました。しかし、澄んだ音色のする笛はできま
せんでした。



「楓の木では、駄目なのかもしれない。あきらめ
るよりしかたがないのか」
若者は、弱気になりました。
「楓のためにも、私だけでもがんばってみよう」
若者は寝る間もおしみ、毎日笛を作り続けました。
「楓よ、もっと長生きしたかっただろうに、人間
の勝手で切りたおしてしまって、ごめんね」
若者は笛を作りながら、楓に心からわびました。



半年がすぎました。
ある日、やっと気にいった音色のする笛ができま
した。
「やっと、清らかな音色のする笛ができたぞ!」
若者は、とびあがってよろこびました。



一ヶ月後。
若者は、楓の木が立っていた丘の上で、コンサー
トを開きました。


   つづく



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、みほようこ
の四冊目の本・「ライオンめざめる」に収録され
ています。
「ライオンめざめる」は、風の神様からのおく
りものシリーズ4。


つづきは、公立図書館などで読んでいただきたいと
思います。


「ライオンめざめる」は、十月七日、、「鳥影社」
から発行されました。
ヤフーブックス・楽天・アマゾン・ライブドア
紀伊国屋書店ジュンク堂など、インターネット
書店でも、注文できます。



「鳥影社」のホームページからも、注文できます。
送料は無料。


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ライオンめざめる―風の神様からのおくりもの〈4〉 (風の神様からのおくりもの (4))

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