げら、桜が咲いたよ


「げら、桜が咲いたよ」1


「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」
大空を、とびがゆっくりとんでいます。
ここは、南アルプスの山々が目の前にみえる山深い
村です。
村のはずれに、小鳥の好きなおじいさんが、一人で
暮しています。おじいさんは九十才を過ぎています
が、とても元気でした。



「チュンチョッ、チュンチュンチョ」
「ツピー、ツピィツピー」
「ピーヨ、ピーヨピーヨ」
おじいさんは、小鳥の声で目がさめました。
窓をあけると、すずめ・しじゅうから・ひよどりが、
楽しそうにさえずっています。



「今日はどんな小鳥がやってくるかな」
おじいさんは、小鳥がやってくるのを、毎日楽しみ
にして待っています。
庭へやってくる小鳥たちは、おじいさんの大切な友
達でした。

   
                       つづく