ふしぎな鈴「朝顔のエスカレーター」


ふしぎな鈴「朝顔エスカレーター」6


「かなさん、おねがい。雪の上に、朝顔
種の種をおいてくださいな」
また声が聞こえました。
かなは外へでて、いわれたように雪の上に
種をおきました。



すると…。
種がわれて、中からかわいい黄緑色の芽が
でてきました。
二枚の葉が四枚になり、八枚になり、どん
どん葉がでてきます。



そして、あっという間に、何万枚という葉
になりました。
つるも空にむかってどんどんのびていきま
す。つぼみも数えきれないくらい、たくさ
んつきました。



そして、あちらにひとつ、こちらにひとつ
と、花が咲き出しました。
赤い花も白い花もあります。紫の花も、ピ
ンクの花も咲き出しました。
何千何万という花が、色とりどりにぱっと
音がして開いていきます。



色あざやかな竜が、空に向かってかけのぼっ
ていくような、そんな感じでした。
かなはぽかーんとして、朝顔の花を見てい
ました。


            つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。







http://www.bk1.jp/product/02593627