きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒56


これからどうやって生きていったらよ
いのだろうか。
おらは、きよちゃんのことを、忘れる
ことができるのだろうか。
清太は、きよのことを考えながら、湖
のまわりを歩きました。



きよちゃんがこんなに好きなのに・・・。
なぜきよちゃんのそばでくらすことが
できないのだろう。
「おじょうさまのことなど、なんとも
思っていません」と、長者にいえば良
かった。そうすれば、きよちゃんのそ
ばで、一生くらすことができたのに。
おれって、なんて馬鹿なんだろう。



湖のまわりを歩いているうちに、清太
の心は再びゆれはじめました。
いっそ、この湖で死んでしまおうか。


              つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という伝説
があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。