瑠璃寺の青獅子


  瑠璃寺の青獅子23


「うおーっ、うおーっ」
はげしい雷雨の中、獅子がひっき
りなしに不気味なさけび声をあげ
ています。
和尚は、あまりの恐ろしさに、そ
の場にすわりこんでしまいました。


 
和尚がはっと我にかえると、雷雨
はやみ、空には太陽がでていました。



「ああ、こわかった。こんなこわ
い思いをしたのは、初めてじゃ。
わしは、悪い夢をみていたのだろ
うか。いや、夢ではない。



わしは、たしかに青い獅子をみた。
うおーっとさけぶ不気味な獅子の
声も聞いた。夢でない証拠に、着
物がびっしょりじゃ」
雨でぬれた着物をみて、和尚がつ
ぶやきました。


              つづく



    昨日の分は、こちら。


    瑠璃寺の青獅子22


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20081017#p1




初めてこの物語を読んでくださっ
たかたへ


   瑠璃寺の青獅子1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080926#p1



「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森
町の瑠璃寺に伝わっている話をヒ
ントにして、みほようこが書いた
物語。



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再配布を禁止します。